
私たちは、どんな大人になるんだろう?

これは、大きな川で分断された地域のお話。
昭和の雑多な風情が残るエリアに育ったセイラとミズカ。
対岸には高く美しいビルが立ち並ぶエリアが見えていた。
セイラは思った。
「ミズカ、私らにあの街は似合わへん。なんか嫌いやねん。」
「そうやな、私もっ」
「ミズカ、わたしらはずっとここで生きるんやで」



私はセイラ。
午前中、いつものように商店街を抜けて学校へ向かうんだけど・・・
ミズカ、また寝坊かな・・・

一限目は自習になったとミズカから聞いたとき、「じゃあ午後から行けばいい」と決めた。
小学生でも判断は自分の気持ちを大事にして決める。
先生からそう教わったからいいよね。


朝の開店前の店が並ぶ薄暗いアーケードが、私は好き。
昔の歓楽街の風情も、私だけの神秘的な異世界に変わる。
私はこの異世界の住人なんだよ


私の存在なんて、誰も気に留める大人はいない。
ううん、正しくはみんな知り合いだから、気にしてないことを装ってくれているの。
ここの大人はみんな優しい。

ガラガラガラとシャッターが開く音って、とってもワクワクしてくるの。
おっちゃんおばちゃんたちが、今日はどんな客が来るんだろうって期待する気持ちが伝わってくるの。

私はどんな大人になるのかな?
ここには寂しそうな人や疲れてる人をよく見かけるけど、大人ってよくわからない。
早く大人にならないかな。
大人って学校に行かんでもええし、自由やん!
今のお小遣いより、お金も持てるし、なんでもできるよ。
あぁすぐ大人になりたいなぁ。



私の暮らす街は、ごちゃごちゃして、ひっくり返った幕の内弁当みたい。
だから見るもの聞くものが面白いし、私を成長させてくれる教科書のような街なの。
学校に行くより勉強になると思うんだけどな。


ママから、この道は子供が歩いたらあかんって注意されるけど、そんなこと言われたら探検したくなるのが私やし。
大人とか子供とか、勝手に区別するのはよくないって思うの。
そろそろ学校いかな。
ねぇミズカ、私ら、ずーーーっと一緒な。
大人になっても、ずっとずっと友達なんやから!
創作ノート
夜は帰宅途中のビジネスマンや仕事終わりの人々で賑わう商店街。
大人の歓楽街でもあるこの地で、たくましく育つ少女たちを主人公にしたドラマを創作。
まだ小学生のモデルのseiraさんと、早朝の静まり返った商店街を歩きながら撮影した。
こんなにあどけない少女に、ちょっと突っ張ったイメージを演出したらどうなるのだろう?そんな興味もあったり、もしかすると企画倒れになるかもしれないとも思いながら撮影開始。
結果は、想像以上にseiraさんの存在感が際立って、素晴らしい表現をしていただきました。とても良かったです。
被写体モデル/seira
X/@seirara1173
撮影日/2025.1.11
撮影場所/大阪市内
モデル所属事務所(撮影会主催)/ ななサク撮影会 @nanasaku31

この記事に関するコメント