
闇の深淵に潜む影よ,我が声を聴き、我が意志に従え

闇の深淵より、影を呼び寄せよ。
我が意志に従い、運命を歪めよ。
怨みを宿し、心を蝕む、
無垢なる者に、今、苦しみを与えん。

僕の通う高校に、美しい女子生徒が転校してきた。
校内は平安以来の美少女が現れたと、噂が駆け巡った。
もちろん僕も期待したよ。

彼女がクラスに現れたとき、男子全員がざわついた。
可愛いなぁ・・・見惚れちゃうと・・・。
「男子ってほんとに単純ね」と、彼女は僕の隣の席につくと小声でつぶやいた。

嫉妬する女子もいたが、彼女の美貌に憧れを抱く者が多く、すぐに人気者になった。
「女は誰でも美しくなれるわ。男という生贄を捧げればね・・・」
意味はわからないが、その言葉は彼女の個性的な魅力を僕に印象づけた。

放課後、女子人気1位の男子が告白して、あっけなくフラれたそうだ。
「ごめんね、私には同棲中の彼氏がいるの」
この事実に落胆した男子は多かったという。

「私の彼は無口だけど、物静かで優しいところが好きなの」
ときどき彼氏の話をする彼女は、普通の女子高生と変わらない。
きっと素敵な彼氏なのだろう。

「彼は私を、永遠に愛してくれると約束してくれたの。私も彼の全てを…そうね、骨まで愛しているわ」
愛情表現は独特だが、彼女が口にすると自然に感じてしまう。

いつからか彼女の占いはよく当たると、女子の間で噂になった。
しかし、裏メニューに「呪い」があることを知る者は少なかった。

校内で彼女が黒魔術を使う魔女の末裔ではないか?という噂が広まった。
神秘的でどこか近寄りがたい雰囲気が、そう思わせたのだろう。
「違うわ。私はサタンの仲介役にすぎないの」と呟いた彼女は…..正直怖かった。

噂は近隣の他校にも広まり、ある日、隣県の女子高生が放課後、彼女を訪ねてきた。
「呪いのメニューを依頼したいって?…ほんとにいいのね?….覚悟はある?」

「そう…彼氏の浮気…
二度と浮気できないように罰を与えるの?
彼を独り占めしたいのね。
あなたの愛に協力してあげるわ」

「これが最後の忠告よ。
あなたはサタンと契約をすることになるけど、いいの?」

「呪いの代償は、あなた自身が支払うことになるけど、代償の程度は私にはわからないわ。
でも安心して、あなたが支払えない代償にはならないから。
うふふふ・・・」

死神の持つ三日月の鎌が闇を裂き、
冥界の魔が放たれる・・・
さぁ我が声をサタンに届けよ!
呪われし者の名を呼び、
その魂に影を落とせ。

死神たちよ、
この呪い、永遠に唱えよ
希望の光を奪い去れ。
彼の者の夢を壊し、
絶望の淵へと導け。


我が力、闇の中に宿りて、
恐怖の鎖で縛りつけよ。
さあ、今、彼の者の運命を変えよ、
サタンの呪文の力で….

運命は契約よ。
神と契約するか?
悪魔と契約するか?
あなたは、どっちにする?

「私は、悩み苦しむ人々を黒魔術で救う者。
相談はいつでも受付中よ、代償は後払いでいいわ。」
・・・代償の恐ろしい意味を知る人はいない。
創作ノート
ずっと撮影したいと思っていたみかづきさん。すでに多くのカメラマンに撮られた写真が公開された中で、どんな企画をしようかと試行錯誤していたが、得意分野の闇世界をコンセプトにすることに決めました。
みかづきさんも企画に興味を示してくれて、撮影はとても楽しいものになりました。
被写体モデル/みかづき。
X.Instagram/ @mikaduki_photo
撮影日/2025.1.19
撮影場所/なら紅葉の郷
モデル撮影会主催/ ななサク撮影会

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